自分を認められない時はどうする?自己受容を深める考え方と毎日の習慣
自分を認めたいと思っているのに、失敗するたびに自分を責めてしまう。
周囲から褒められても素直に受け取れない。
SNSを見ると、自分だけ取り残されているように感じる。
そんな状態が続くと、「もっと自信を持たなければ」「自分を好きにならなければ」と考えてしまうかもしれません。
しかし、自己受容は無理に自分を好きになる話ではありません。
苦手な部分や失敗した経験があっても、「今の自分にはこういう面がある」と認識し、それだけで自分全体を否定しない考え方です。
自信がない日にも自己受容はできます。
まずは自分を高く評価しようとするより、現在の状態を必要以上に悪く評価していないかを見るところから始めてみましょう。
自己受容は「どんな自分も好きになる」という意味ではない
自己受容という言葉から、「短所も全部好きにならなければならない」と考える人もいます。
しかし、嫌いな部分が残っていても構いません。
人前で緊張する自分が嫌だ。
決断が遅い性格を変えたい。
失敗すると引きずってしまう部分を直したい。
こう感じながらでも、自分を受け入れる姿勢は持てます。
問題になるのは、「緊張するから駄目な人間だ」「失敗したから価値がない」と、部分的な特徴を人格全体の評価へ広げる時です。
変えたい部分は変えようとしていい。
ただし、変わる前の自分まで否定する必要はありません。
失敗した事実と自分への評価を分ける
自己否定が強い人は、一つの失敗から話を大きくしやすい傾向があります。
仕事で確認漏れがあった。
ここまでは事実です。
ところが、「自分は仕事ができない」「何をやっても駄目だ」と考えると、出来事への反省が人格への評価へ変わります。
失敗した時は、「自分は駄目だ」ではなく、「何が起きたのか」を具体的に書き出してみて下さい。
確認する時間が足りなかった。
予定を詰め込みすぎた。
説明を十分に聞いていなかった。
原因が具体的になれば、次に変えられる部分も見えてきます。
反省は改善へ進めますが、自己否定だけでは行動を変えにくくなります。
「できなかった」と「価値がない」を結びつけない
仕事、勉強、恋愛、人間関係などでは、思うような結果が出ない時があります。
資格試験に落ちた。
仕事で評価されなかった。
恋人から別れを告げられた。
目標としていた収入へ届かなかった。
結果だけを見れば、望んだ状態ではありません。
しかし、その結果と人としての価値は別の話です。
試験に落ちたなら、勉強方法を変える余地があります。
仕事で評価されなかったなら、求められている内容を確認できます。
結果を改善する行動と、自分の存在を否定する言葉を分けて考えて下さい。
ネガティブな感情を無理に消さない
落ち込んだ時に「前向きにならなければ」と考えるほど、さらに苦しくなる場合があります。
悲しい。
悔しい。
嫉妬している。
不安を感じている。
こうした感情そのものを悪いものとして扱う必要はありません。
「嫉妬してはいけない」と否定するより、「今は嫉妬している」と認識する方が、自分の状態を客観的に見やすくなります。
感情を認めるのと、その感情のまま行動するのは別です。
腹が立っていると認めても、相手へ攻撃的な言葉を送る必要はありません。
感情へ名前を付けるだけでも、自分と感情の間へ少し距離を作れます。
他人との比較では条件がそろっていない
SNSを見ると、仕事で結果を出している人、旅行を楽しんでいる人、充実した家庭を築いているように見える人が次々に流れてきます。
一方、自分については、失敗した日も、疲れて何もできなかった夜も、将来への不安も全部知っています。
他人の見せたい場面と、自分の生活全部を比べれば、自分の方が劣っているように感じやすくなります。
比較して落ち込んだ時は、「今、自分は相手の何と自分の何を比べているのか」を確認してみて下さい。
比較そのものを完全になくす必要はありません。
比較の条件が公平ではないと気づくだけでも、受け取り方は変わります。
自己受容と自己肯定感の違いを知っておく
自己肯定感が低いと感じる時、「もっと自分を好きにならなければ」と焦る場合があります。
しかし、自分を高く評価できない日があっても、自分を受け入れる姿勢まで失う必要はありません。
「今は自信がない」
「今回は失敗した」
「自分でも嫌いな部分がある」
そう認識しながら、自分全体へ「価値がない」という判決を出さない。
自己受容について、自己肯定感・自己効力感との違いや、自分を認められない原因まで詳しく知りたい方は、自己受容とは何か、自分を認められない原因と向き合う方法も確認してみて下さい。
自分を好きになれない日にまで「自己肯定感を上げなければ」と追い込まずに済む考え方が見えてきます。
完璧主義は目標の高さより失敗後の自分への態度を見る
高い目標を持つ行為自体が悪いわけではありません。
問題になりやすいのは、目標へ届かなかった瞬間に、自分を認められなくなる状態です。
90点を取ったのに、足りなかった10点だけを見る。
仕事で評価されても、自分より上の人を探す。
褒められても「まだ足りない」と考える。
これでは、どれだけ結果を出しても満足できません。
改善したい部分を見るのと、達成できた部分を無視するのは別です。
「次はもっと良くしたい」と考えながら、「今回はここまでできた」と認めても構いません。
自分への言葉を親しい人へ言えるか考える
失敗した時、自分にはかなり厳しい言葉を使っている人がいます。
「本当に使えない」
「こんな簡単なものもできない」
「だから誰にも認められない」
同じ失敗を親しい友人がした時にも、その言葉をそのまま言えるでしょうか。
おそらく、「疲れていたんじゃない?」「次に直せばいい」と別の言葉を選ぶ人も多いでしょう。
自分だけを特別に甘やかす必要はありません。
ただ、自分にだけ極端に厳しい基準を適用していないかは確認できます。
自分へ向けている言葉を一度文字にすると、その厳しさへ気づきやすくなります。
できなかった理由を人格ではなく条件から考える
何かできなかった時に、すぐ性格や能力の問題へ結びつけないようにしてみて下さい。
集中できなかったなら、睡眠不足だったかもしれません。
予定を守れなかったなら、最初から予定を詰め込みすぎていた可能性があります。
人前でうまく話せなかったなら、準備不足や緊張しやすい環境だったかもしれません。
条件を見ると、「自分が駄目だから」で終わらず、変えられる部分が見つかります。
人格への評価は抽象的ですが、条件は具体的です。
自己受容は反省しなくなる考え方ではなく、反省を具体的な改善へつなげやすくする土台とも考えられます。
一日の終わりに事実・感情・評価を分けてみる
自己受容を日常へ取り入れたいなら、短い記録から始める方法があります。
たとえば仕事でミスをした日は、三つに分けます。
事実は「資料の数字を一か所間違えた」。
感情は「恥ずかしかった、落ち込んだ」。
評価は「自分は仕事ができない」。
ここまで分けると、最後の一文だけが事実ではなく、自分が付けた評価だとわかります。
毎日長い日記を書く必要はありません。
自分を強く責めた日にだけ、この三つへ分けてみるだけでも十分です。
自己受容できない自分まで責めない
自己受容を学ぶと、今度は「まだ自分を受け入れられない」と悩む人もいます。
しかし、自己受容まで達成目標にすると、新しい自己否定が始まってしまいます。
今日は自分を責めてしまった。
他人と比較して落ち込んだ。
過去の失敗を思い出した。
そんな日があっても構いません。
「今日は受け入れにくい状態なんだ」と認識するだけでも、自分への見方は変わります。
自己受容は一度できれば終わるものではなく、その日の状態に合わせて何度も戻ってくる考え方として扱う方が自然です。
まとめ|自分を好きになる前に自分全体を否定しない
自己受容は、自分の短所を無理に好きになる考え方ではありません。
失敗、不安、嫉妬、苦手な部分があっても、「だから自分には価値がない」と人格全体へ評価を広げない姿勢です。
自分を責めた時は、事実と評価を分けてみて下さい。
他人と比較して苦しくなった時は、相手の一場面と自分の生活全部を比べていないか確認します。
できなかった時には、人格ではなく、睡眠、準備、環境、予定などの条件を見る方法もあります。
そして、自己受容できない日まで「自分は駄目だ」と責める必要はありません。
自分を好きになれなくてもいい。
まずは、今の自分にはこういう感情や弱さがあると認め、それだけで自分全体を否定しないところから始めてみて下さい。